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オールマン・ブラザーズ・バンドのデビューアルバムです。1969年発表。21世紀の今聴いても全く色褪せた感じがしない恐ろしい作品です。
アルバムの完成度、曲の完成度は後に発表されるアルバムのほうが高いと思われます。
しかし、何故かこのアルバム、発売されて40年以上経過した現在でも多くのオールマン・ブラザーズ・バンドのファン、いや、多くのロックファンの心を惹きつけています。
とにかく「熱い」「男臭い」そして「荒削り」です。こなれて繊細な感じは全くなく、とにかく全曲「押す」感じできます。バラードや引いた感じの曲はありません。とにかく当時の彼等の「勢い」をそのままパッケージしましたって感じです。恐らく殆ど一発録りだったんじゃないでしょうか。そんな緊張感もアルバム全体に漂っています。
トータル40分にも満たない収録時間ですが、体調が良くない時に聴いたら疲れるかもしれません。
サザン・ロックの代表みたいな感じで語られる事が多いバンドですが、そんな単純なカテゴライズは通用するバンドではありません。ブルースをベースにソウル、ジャズ等の要素を巧みに取り込み、その当時としては珍しい、ツイン・ドラムとツイン・ギターという編成で新しい音楽を作って行こうとしている気概みたいなものも感じます。
まずはデュアン・オールマンのスライド・プレイでしょう。当時あれほどの演奏ができるギタリストはいなかったのではないでしょうか。デュアンの演奏に関しては、スタジオ・ミュージシャン時代から音楽関係者の注目は集めていたみたいですね。(ウィルソン・ピケットやアレサ・フランクリン等)
次に、リズムの組み立て方が、当時としてはかなり斬新だったのではないでしょうか。ジャズミュージシャンがロック寄りの音作りをしていくというのは当時それなりにあったと思うのですが、アメリカの南部の田舎から出てきた20代前半の若造がこんな音作っちゃいました的な感じでアルバムを発表してライブの数をこなしていき、音楽関係者にもかなり衝撃を与えたのではないでしょうか。エリック・クラプトンもその衝撃を受けたミュージシャンの一人だったと思います。
アルバムの完成度、曲の完成度は後に発表されるアルバムのほうが高いと思われますが、オールマン・ブラザーズ・バンドを語る上で欠かせない作品となっています。ちなみにこのアルバムに収録されている曲の殆どがいまだにライブでは定番曲として演奏され続けています。それもまた凄い事のような気がします。
1. Don’t Want You No More
2. It’s Not My Cross To Bear
3. Black Hearted Woman
4. Trouble No More
5. Every Hungry Woman
6. Dreams
7. Whipping Post